ニットソーイングとは
ニット(生地を扱う)、ソーイング(縫製)
ニットソーイングとは、販売店や雑誌など「カット&ソー」と呼びます。
私たちは「縫って楽しむ」クラブなので、縫う立場から見た特徴を考えて「ニット(生地を扱う)ソーイング」と名付けました。
ニットソーイング(カット&ソー)とは?
ニット(セーター)も「カット&ソー」も素材の特徴が一緒なので、型紙の考え方は同じです。
そこで、デザインはセーターの会社が行っていました。
また、冬はセーター、夏はTシャツ、というのも会社として1年営業するのにちょうど良かったのです。
しかし、セーターの工場とカット&ソーの工場は機械がまるっきり違います。
セーターは1本の糸を形に編み上げるのでまず、カット(裁断)をしません。
つなげるのも編み目を拾って行く「リンキング」という方法で、ソー(縫製)もしません。
区分けをするためにデザイナーが考えたのが「カット&ソー」という名称です。
OVERLOCK SEWING MACHINE ロックミシンの話
特徴は、編みながら縫う「環状縫い」
ロックミシンは、アメリカの軍隊でTシャツを縫うためにできた機械です。
このミシンの1つ目の特徴は、「環状縫い」という縫い方。
「編みながら縫う」ことができ、ニット素材の伸び縮みにも対応できます。
そして、切りながら縫えるミシン
2つ目の特徴は「切りながら縫う」点。
縫い代が細く、素肌に当たる感触がやわらかくなります。
ロックミシンの苦手とする点
環状縫いでは「返し縫い」ができないので、ほつれてしまいます。
また切りながら縫うため「まち針は使えない」「間違えると切った分、生地が小さくなってしまう」という欠点があります。
返し縫いは他のミシンでフォロー。まち針は洗濯バサミで代用。縫い直しよりデザイン変更。
クラブでは、ホームソーイング用にアレンジしています。
KNIT FABRIC ニット生地の話
ニット生地は伸びます。では、どの位伸びるのでしょうか。
ニット生地の伸縮性のことを「テンション」と呼びます。
その「テンション」は編み方の種類、ゲージ、素材によって変わってきます。
一般的なニット素材の編み方です。編み方の種類は棒針編みと似ています。
編み方の種類
丸編
一般的なニット素材の編み方です。編み方の種類は棒針編みと似ています。
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天竺
メリヤス編みとも呼ばれる基本の編み方です。表と裏の表情が違います。
テンション:小~中
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フライス
ゴム編みの仲間。表と裏の表情が一緒です。
テンション:大
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スムス
2重編みとも呼ばれる編み方。
テンション:小~中
縦編
カット&ソーの中で5%~10%くらい扱われています。
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トリコット
女性のランジェリーに使われることが多い。表と裏の表情が違う。
テンション:小
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ラッセル
レースのカーテンなどに使われることが多い。
テンション:無し
ゲージ、またはセットの状態
同じ寸法の中に編み目がどの位あるか、というのがゲージ。
編み糸の太さによっても変化しますが、同じ太さの場合、ゲージが荒い(編み目の数が少ない)方が「テンション」は大きくなります。
「セット」とは地直しのこと。現状アパレルで扱う99%の素材はセット済みで工場に送られます。
この「セット」をしっかり固めに行うと「テンション」は小さくなります。
素材
綿、毛、ポリエステル等素材にもいろいろありますが、素材単体で伸びるものがいくつかあります。
ポリウレタン、ポリエステルソロがそれです。
ポリウレタンは、合成ゴムのこと。これが入っている糸で織ったり編んだりすると、とてもよく伸びる生地になります。
ポリエステルソロは比較的新しい素材。ポリウレタンほどではありませんが、伸びる素材です。
その上ポリウレタンと違って染色が利くので扱いやすいです。
上記3つの組み合わせ、また後加工等により、「テンション」はどんどん変化します。
まるっきり伸びない「ニット」生地も存在しているわけです。
また、「ニット」素材は丸まって扱いづらい、という話もあります。編み方の種類の中で丸まるのは「天竺」だけです。
他の編み方では布端が丸まるということはありません。